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FJクルーザーは故障が多い?壊れやすいと言われる持病の理由と実際のオーナーの評価

レトロで唯一無二のデザインが魅力のFJクルーザー。中古車市場でも未だに人気を博している車種です。しかし、一部では「故障が多い」「壊れやすい」といった不安な噂を耳にすることもありますが、本当なのでしょうか。

この記事では、FJクルーザーが壊れやすいと言われる理由を分析し、具体的な故障事例や、長く乗り続けるための故障対策など詳しく解説します!

1. FJクルーザーは壊れやすい?

FJクルーザーの購入を検討する際、多くの方が「故障」というキーワードに敏感になるのは当然のことです。中古車となればなおさら、その不安は大きくなるでしょう。

結論から言うと、FJクルーザーは基本設計が非常に頑丈で信頼性の高いクルマであるため、一概に壊れやすいとは言い切れません。しかし、「壊れやすい」というイメージが先行しているのには、いくつかの明確な理由が存在します。

1-1. 「壊れやすい」は誤解?本来はタフなクルマです

FJクルーザーが頑丈であると言える最大の理由は、その成り立ちにあります。このクルマは、もともと道なき道を行くような過酷な環境で使われることを想定して設計された、本格的なオフロード車なんです。

その心臓部である「1GR-FE」というV型6気筒4.0Lエンジンは、同じくトヨタのランドクルーザープラドやハイラックスサーフといった、世界中でそのタフネスを証明してきた車種にも搭載されている名機中の名機。非常に信頼性が高く、そう簡単には音を上げません。

また、ラダーフレーム構造という、ハシゴのような頑丈な骨格の上にボディを載せる構造を採用しています。これはトラックや本格クロカン車に使われる伝統的な構造で、悪路走行時の強い衝撃やねじれから車体を守ってくれるんです。

つまり、FJクルーザーの基本設計は、巷で囁かれる「壊れやすい」というイメージとは真逆で、むしろ「壊れにくい」ことを目指して作られていると言えるでしょう。

1-2. それでも「壊れやすい」と言われる理由

ではなぜ、これほどタフなはずのFJクルーザーに「壊れやすい」というレッテルが貼られてしまうのでしょうか。それには、主に4つの背景が関係しています。

▼ 年式の古さによる経年劣化

日本での最終モデルは2018年。すでに生産終了から時間が経っており、市場に出回っている中古車は、ある程度の年数と走行距離を重ねています。どんなに頑丈なクルマでも、ゴム部品や樹脂パーツは時間とともに劣化しますし、金属部品にも疲労は蓄積します。これが故障の一因となるのは避けられない事実です。

▼ 特有の「弱点」や「持病」の存在

完璧なクルマが存在しないように、FJクルーザーにもウィークポイント、いわゆる「持病」と呼ばれる定番のトラブル箇所がいくつか存在します。後ほど詳しく解説しますが、こうした特定の故障事例がクローズアップされ、「FJクルーザー=壊れやすい」というイメージに繋がっている側面は大きいでしょう。

▼ 中古車としての個体差

FJクルーザーの使われ方は、オーナーによって様々です。街乗りメインで大切に乗られてきた車両もあれば、本格的なオフロード走行で酷使されてきた車両もあります。後者の場合、見た目は綺麗でも足回りなどにダメージが蓄積している可能性があり、こうした「ハズレ個体」の存在が、全体の評判を下げてしまう一因になっています。

▼ 構造のシンプルさゆえの誤解

FJクルーザーは、現代の複雑な電子制御満載のクルマと比べると、比較的シンプルな構造をしています。これは整備性が良く、故障箇所を特定しやすいというメリットがある一方、古き良き機械的な部分が、経年劣化によって不具合を起こしやすいとも言えます。

これらの理由が複合的に絡み合い、「FJクルーザーは壊れやすい」という噂が生まれているのが実情です。しかし、裏を返せば、これらのウィークポイントを事前に把握し、適切なメンテナンスを行えば、故障のリスクは大幅に減らすことができるのです。FJクルーザーは、決して乗り手を選ぶ気難しいクルマではなく、愛情をかけた分だけ、最高の走りを見せてくれる頼もしい相棒となってくれるはずです。

2. なぜ?FJクルーザーが壊れやすいと言われる5つの真実

先ほど、FJクルーザーが壊れやすいと言われる背景にはいくつかの理由があると述べました。ここでは、その理由をさらに深掘りし、噂の真相に迫っていきましょう。これらの点を理解しておくことが、購入後の後悔を避けるための第一歩となります。

2-1. 理由①:避けられない経年劣化との戦い

FJクルーザーが日本で販売されていたのは、2010年から2018年までの8年間です。つまり、最も新しいモデルでも生産終了からすでに数年が経過しており、初期のモデルに至っては10年以上前のクルマということになります。

どんなに高品質なトヨタ車であっても、時間は平等です。クルマを構成する何万点もの部品の中には、経年によって必ず劣化していくものが数多く存在します。

  • ゴム・樹脂部品の硬化やひび割れ:エンジンルーム内のホース類、ドアや窓のウェザーストリップ(雨風を防ぐゴム)、足回りのブッシュ(衝撃を吸収するゴム部品)などは、時間とともに弾力性を失い、硬化したりひび割れたりします。これがオイル漏れや雨漏り、異音の原因となるのです。特に、ドライブシャフトブーツの破れは定番のトラブルとして知られています。

  • 金属部品のサビや腐食:日本は湿気が多く、冬場には融雪剤が撒かれる地域もあります。こうした環境は、クルマの天敵であるサビを発生させます。特に、フロア下(下回り)やフレームといった見えにくい部分のサビは、クルマの強度を著しく低下させる危険性があるため注意が必要です。

  • 電気系統の接触不良:配線の被覆が劣化したり、コネクターの接点が錆びたりすることで、接触不良を起こすことがあります。これにより、ライトが点灯しない、パワーウィンドウが動かないといった細かなトラブルが発生しやすくなります。

こうした経年劣化によるトラブルは、FJクルーザーに限った話ではありません。しかし、市場に流通している車両がすべて中古車である以上、購入を検討する際には、年式相応の劣化があることを前提として考える必要があります。これが「故障が多い」と感じさせる一因であることは間違いないでしょう。

2-2. 理由②:知っておきたい特有の「持病・弱点」

FJクルーザーには、多くのオーナーが経験する「定番のトラブル」、いわゆる持病と呼ばれるものがいくつか存在します。これらは設計上の特性や部品の耐久性に起因するもので、FJクルーザーと長く付き合っていく上で、避けては通れないポイントかもしれません。

代表的な持病としては、後ほど詳しく解説する「デフロックアクチュエーターの固着」や「CVジョイントからの異音」、そして「塗装のクリア剥げ」などが挙げられます。

これらの情報は、インターネット上のオーナーズクラブやブログなどで頻繁に共有されています。そのため、これからFJクルーザーを買おうとする人が情報を集めると、「またこの故障の話か…」「やっぱり壊れやすいんだな」という印象を抱きやすくなるのです。

しかし、これはネガティブな情報だけではありません。裏を返せば、「どこが壊れやすいか」があらかじめ分かっているということでもあります。弱点を事前に知っておけば、購入時のチェックポイントとして役立てることができますし、納車後の予防整備にも繋がります。持病の存在は、いたずらに不安を煽るものではなく、賢く付き合っていくための重要な情報源と捉えるべきでしょう。

2-3. 理由③:中古車市場における個体差

中古車選びの鉄則ですが、FJクルーザーにおいても「個体差」は非常に重要な要素です。同じ年式、同じ走行距離の車両であっても、そのコンディションは一台一台まったく異なります。これは、前のオーナーがどのような乗り方をしていたかに大きく左右されるからです。

  • 街乗り中心だった優良個体:主に舗装路を走り、定期的なメンテナンスをきっちり受けてきた車両です。内外装が綺麗なのはもちろん、足回りや駆動系への負担も少なく、良好なコンディションが期待できます。

  • オフロードで酷使された個体:趣味で本格的なクロスカントリー走行を楽しんでいたオーナーの車両です。下回りに岩や地面で擦った傷や凹みがあったり、見えない部分にサビが進行していたりする可能性があります。足回りの部品も大きなダメージを負っていることが多く、購入後に思わぬ出費が発生するリスクを抱えています。

  • メンテナンスを怠っていた個体:オイル交換などの基本的なメンテナンスを疎かにしていた車両です。エンジン内部に汚れが溜まっていたり、各部の消耗品が寿命を迎えていたりする可能性があります。

問題なのは、これらのコンディションの違いが、必ずしも見た目の綺麗さや走行距離だけで判断できない点です。特にオフロード走行歴のある車両は、巧妙に綺麗にされている場合、素人が見抜くのは困難です。こうしたコンディションの悪い「ハズレ個体」を引き当ててしまうと、次から次へとトラブルが発生し、「FJクルーザーは壊れやすい」という結論に至ってしまうのです。

2-4. 理由④:過酷なオフロード走行によるダメージの蓄積

FJクルーザーの持つ高い悪路走破性は、最大の魅力の一つです。しかし、その性能を存分に楽しむということは、クルマの各部に相応の負担をかけることにも繋がります。

林道や河原、岩場などを走行すると、シャシー(車台)やサスペンション(衝撃を吸収する装置)に、街乗りでは考えられないほどの強い衝撃が加わります。

  • 下回りのヒット:見えない岩や切り株に下回りをぶつけると、フレームやサスペンションアームが変形したり、デフケース(駆動力を伝える重要な部品)を破損したりする恐れがあります。

  • 足回りへの負担:大きな段差を乗り越えたり、凹凸の激しい路面を走ったりすることで、サスペンションのブッシュやショックアブソーバー、ボールジョイントといった部品が急速に摩耗します。これが異音や走行安定性の低下を招きます。

  • 駆動系への負荷:ぬかるみや砂地からの脱出などでタイヤが空転とグリップを繰り返すと、ドライブシャフトやデファレンシャルギアに大きな負荷がかかり、寿命を縮める原因となります。

もちろん、FJクルーザーはこうした使われ方を想定して頑丈に作られています。しかし、それは「壊れない」という意味ではありません。オフロード走行を楽しんだ後は、入念な洗浄や点検といったケアが不可欠です。こうしたケアを怠ると、ダメージが蓄積し、ある日突然、大きな故障となって現れることがあるのです。

2-5. 理由⑤:見た目の印象とのギャップ(意外と繊細な部分も)

あの愛嬌のある丸いヘッドライトに、角張ったワイルドなボディ。FJクルーザーの見た目は、どこからどう見ても「タフガイ」そのものです。しかし、その無骨な印象とは裏腹に、意外と繊細な部分も持ち合わせています。

その代表格が塗装です。特にルーフ(屋根)部分は、ボディカラーに関わらず白色に塗装されていますが、この部分の塗装が弱く、経年でクリア層が剥がれ、カサカサになってしまうという事例が非常に多く報告されています。青空駐車の車両では、特にこの症状が進行しやすい傾向にあります。

また、観音開きのドア構造も、便利である反面、使い方によってはきしみ音が出やすくなることも。

こうした「屈強な見た目」と「意外とデリケートな部分」とのギャップが、「思ったより手がかかるな…」という印象に繋がり、「壊れやすい」という評判の一因になっている可能性も考えられます。

3. 【要注意】FJクルーザーでよくある故障事例と修理費用

FJクルーザーが「壊れやすい」と言われる背景を理解したところで、ここではさらに具体的に、オーナーたちが実際に経験することの多い「定番の故障」について見ていきましょう。症状や原因、そして気になる修理費用の目安も併せて解説します。事前に知っておくことで、いざという時に慌てず対処できますよ。

3-1. 定番の故障①:デフロックアクチュエーターの固着

これはFJクルーザーの持病として最も有名なものの一つです。

  • 症状:ぬかるみや雪道でスタックした際などに、駆動力を確保するための「リアデフロック」のスイッチを入れても、メーター内のインジケーターランプが点滅したままで作動しない、あるいは作動しっぱなしで解除できなくなります。

  • 原因:デフロックを作動させるための「アクチュエーター」という部品は、モーターでギアを動かす仕組みになっています。この装置を長期間使用しないと、内部のモーターやギアが錆びついたり、湿気で固着してしまったりするのが主な原因です。普段は必要ない機能なだけに、いざ使おうとした時に動かない、というケースが非常に多いんです。

  • 修理費用の目安:アクチュエーター本体の部品代が比較的高価で、交換作業も手間がかかるため、10万円~15万円程度かかることが多いようです。ディーラーか専門ショップかによっても工賃は変動します。

3-2. 定番の故障②:ドライブシャフトブーツの破れ

これも年式や走行距離が進んだクルマの宿命とも言えるトラブルです。

  • 症状:ハンドルを切りながら発進・後退する際に、「パタパタ」「カタカタ」といった異音が発生します。また、破れたブーツの隙間からグリス(潤滑油)が飛び散るため、ホイールの内側が油で汚れます。

  • 原因:ドライブシャフトとは、エンジンの力をタイヤに伝えるための重要な棒状の部品です。その両端には、スムーズに動くための「CVジョイント」という関節部分があり、これを保護しているのが蛇腹状のゴム製カバー、ドライブシャフトブーツです。このゴムブーツが経年劣化で硬化し、ひび割れて破れてしまうのです。破れたまま放置すると、内部のグリスがなくなり、雨水や砂が侵入してCVジョイント本体を痛め、さらに高額な修理に繋がります。

  • 修理費用の目安:ブーツのみの交換であれば、片側で2万円~4万円程度が相場です。破れに気づかず放置してジョイント本体まで損傷が及ぶと、修理費用は跳ね上がります。

3-3. 定番の故障③:CVジョイントからの異音

上記のドライブシャフトブーツの破れを放置した結果、発生することが多いトラブルです。

  • 症状:ハンドルをいっぱいに切って曲がる際に、「カリカリ」「ゴリゴリ」といった異音が発生します。症状が進行すると、直進時にも音や振動が出るようになります。

  • 原因:ドライブシャフトブーツが破れ、内部のCVジョイントから潤滑用のグリスがなくなり、さらに外部から水分や砂利などが侵入することで、ジョイント内部のベアリングが摩耗・破損してしまうことが原因です。

  • 修理費用の目安:この場合、ジョイント本体を含むドライブシャフトASSY(アッセンブリー、部品一式)での交換となることが多く、片側で5万円~10万円以上かかることも珍しくありません。リビルト品(再生部品)を使えば費用を抑えることも可能です。

3-4. 定番の故障④:塗装のクリア剥げ(特にルーフ)

走行性能には直接関係ありませんが、多くのオーナーを悩ませる外装のトラブルです。

  • 症状:主にルーフ(屋根)の白い塗装の表面にあるクリア層が、紫外線や酸性雨などの影響で劣化し、パリパリと剥がれてきます。最初は白くくすんだようになり、やがてポロポロと剥がれ落ち、見た目が非常に悪くなります。

  • 原因:塗装自体の耐久性の問題とも言われていますが、主な原因は紫外線によるダメージです。ボディ側面と比べて、屋根は太陽光を真上から直接浴び続けるため、劣化が早く進行しやすいのです。青空駐車の環境では特にリスクが高まります。

  • 修理費用の目安:剥がれた部分だけを補修するのは難しく、基本的にはルーフ全体の再塗装が必要になります。板金塗装工場にもよりますが、10万円~20万円程度が目安となるでしょう。

3-5. 定番の故障⑤:ブレーキ関連のトラブル

安全に直結する重要な部分だけに、不具合には注意が必要です。

  • 症状:高速走行中などにブレーキを踏むと、ブレーキペダルやハンドルに「ガタガタガタ」という振動(ジャダー)が発生します。

  • 原因:主な原因は、ブレーキローター(タイヤと一緒に回転する円盤状の部品)の歪みや偏摩耗です。急ブレーキを繰り返したり、熱い状態で水がかかったりすると、ローターが歪んでしまうことがあります。また、サビが原因で発生することもあります。

  • 修理費用の目安:ローターの歪みが軽度であれば、表面を研磨することで修正できる場合もあります(1万円~2万円程度)。歪みが大きい場合はローターの交換が必要となり、ブレーキパッドと同時交換で4万円~7万円程度が目安です。

これらの故障事例は、あくまで「よくある」ものであり、すべてのFJクルーザーに必ず発生するわけではありません。しかし、こうしたウィークポイントを知識として持っておくことは、中古車選びや購入後のメンテナンス計画を立てる上で、非常に大きな武器となります。

4. 失敗しないFJクルーザーの中古車選びのコツ

FJクルーザーの魅力と、注意すべき故障ポイントを理解したところで、いよいよ実践編です。ここでは、数ある中古車の中から、後悔しない「アタリ」の個体を見つけ出すための具体的なチェックポイントを解説します。少し手間はかかりますが、このひと手間が、購入後の安心と満足に繋がります。

4-1. チェックポイント①:最重要書類「整備記録簿」の確認

これはFJクルーザーに限らず、中古車選びの基本中の基本ですが、特に重要です。整備記録簿は、そのクルマの「カルテ」のようなもの。いつ、どこで、どんな整備や修理が行われてきたかが克明に記録されています。

  • 見るべきポイント:

    • 定期点検の実施状況: 12ヶ月点検や24ヶ月点検が、毎年きちんと実施されているかを確認します。点検ステッカーがフロントガラスに貼ってあるかも目安になります。

    • オイル交換の頻度: 定期的にエンジンオイルやATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)などが交換されているかは、前のオーナーがクルマを大切に扱っていたかの指標になります。

    • 消耗品の交換履歴: ブレーキパッドやタイヤ、バッテリーなどの交換履歴が記載されていれば、当面の出費を予測する助けになります。

    • 大きな修理履歴の有無: 修復歴にはあたらないまでも、過去にどのような部品交換や修理が行われたかを確認することで、そのクルマの弱点や状態を推測できます。

もし販売店が「記録簿はありません」「見せられません」と言う場合は、その車両は避けた方が賢明かもしれません。記録がしっかり残っている車両は、それだけ素性が良く、信頼性が高いと言えるでしょう。

4-2. チェックポイント②:下回りを入念にチェック!サビとオフロードの痕跡

FJクルーザーのコンディションを判断する上で、外装の綺麗さ以上に重要なのが下回りです。可能であれば、販売店にリフトで上げてもらって、自分の目で直接確認させてもらうのが理想です。

  • サビの状態: フレームやフロアパネル、サスペンションアームなどに、茶色いサビや、進行してボロボリになっている箇所がないかを確認します。特に雪国で使われていた車両は、融雪剤の影響でサビが進行していることが多いので要注意です。表面的なサビならまだしも、腐食して穴が開きそうなものは危険信号です。

  • オフロード走行の痕跡:

    • フレームやデフケース、マフラーなどに、岩などで擦った傷や凹みがないかチェックします。大きな凹みや変形がある場合は、相当ハードな使われ方をしていた可能性があります。

    • サスペンションの付け根やアーム類に不自然な曲がりや亀裂がないか、じっくり観察しましょう。

下回りは、クルマの骨格となる最も重要な部分です。ここに深刻なダメージや腐食がある車両は、どんなに外装や内装が綺麗でも、購入後のトラブルリスクが非常に高いと言わざるを得ません。

4-3. チェックポイント③:試乗で五感をフル活用!異音や振動を体感する

書類や見た目のチェックが終わったら、必ず試乗をさせてもらいましょう。実際に運転してみることでしか分からないことはたくさんあります。

  • エンジン:スムーズに始動するか、アイドリングは安定しているか、加速時にもたつきや異音はないか。

  • トランスミッション:加速・減速時のシフトショックが大きすぎないか。

  • ブレーキ:ブレーキを踏んだ時に「キーキー」という鳴きや、「ガタガタ」という振動(ジャダー)がないか。しっかりと効くか。

  • ステアリング:直進安定性はあるか(ハンドルが左右に取られないか)、ハンドルを切った時に異音(カリカリ、ゴリゴリなど)はしないか。

  • 足回り:わざと少し凹凸のある路面を走ってみて、「ゴトゴト」「ギシギシ」といった異音や、不快な突き上げがないかを確認します。

試乗中はオーディオを消し、窓を少し開けて外の音も聞くようにすると、小さな異変にも気づきやすくなります。少しでも違和感を覚えたら、遠慮せずに販売店のスタッフに質問しましょう。

4-4. チェックポイント④:クルマだけでなく「お店」も選ぶ

どこで買うか、つまり販売店選びも、中古車選びの成功を左右する重要な要素です。

  • FJクルーザーに詳しいお店:FJクルーザーを専門的に扱っていたり、四駆・SUVに強かったりする販売店は、車両の弱点やチェックすべきポイントを熟知しています。的確なアドバイスが期待でき、購入後のメンテナンスも安心して任せられます。

  • 保証制度の充実:保証内容が手厚いかどうかも重要です。保証期間や保証範囲(どこまでの部品が対象か)をしっかりと確認しましょう。特にエンジンやトランスミッションといった主要部品が保証対象に含まれているかは要チェックです。

  • スタッフの対応:こちらの質問に対して、誠実に、そして専門的な知識をもって答えてくれるか。メリットだけでなく、デメリットや車両のウィークポイントについても正直に話してくれるスタッフは信頼できます。

信頼できるお店は、質の良い車両を仕入れている可能性が高いですし、万が一トラブルが起きても親身に対応してくれるはずです。

5. FJクルーザーと長く付き合うためのメンテナンス術

無事に理想のFJクルーザーを手に入れたら、次はその良好なコンディションをいかに維持していくかが重要になります。FJクルーザーは、決して手間のかかるクルマではありませんが、いくつかのポイントを押さえておくことで、故障のリスクを格段に減らし、長く快調な状態を保つことができます。愛情を込めてメンテナンスしてあげましょう。

5-1. 基本中の基本!定期的なオイル交換の重要性

人間の血液と同じように、クルマにとってオイルは非常に重要です。FJクルーザーのタフなエンジン性能を維持するためにも、オイル管理は徹底しましょう。

  • エンジンオイル: 最も基本的なメンテナンスです。メーカー推奨は15,000kmまたは1年ですが、日本の走行環境(ストップ&ゴーが多いなど)を考慮すると、5,000kmまたは半年に1回の交換が理想的です。早めの交換が、エンジンの寿命を延ばすことに繋がります。

  • ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード): 意外と見落とされがちですが、ATFも劣化します。劣化すると変速ショックが大きくなったり、燃費が悪化したりする原因になります。交換不要という意見もありますが、長く乗るなら40,000km~60,000kmを目安に交換を検討すると良いでしょう。

  • デフオイル/トランスファーオイル: 四輪駆動車ならではの重要なオイルです。特にオフロード走行をする場合は、水が混入したり負荷がかかったりするため、よりシビアな管理が必要です。街乗りメインでも、40,000kmごとに交換しておくと安心です。

これらのオイル交換は、専門知識がなくてもガソリンスタンドやカー用品店で手軽に行えます。愛車への投資と考え、定期的に実施しましょう。

5-2. 持病予防の秘訣!デフロックは定期的に作動させる

「使わないから壊れる」という機械の典型例が、FJクルーザーのリアデフロックです。あの高額な修理代を避けるためにも、予防策を講じておきましょう。

やり方は簡単です。月に1回程度、安全な場所(駐車場など)で、デフロックのスイッチをONにし、実際に作動させてからOFFにするだけ。これを数回繰り返すことで、アクチュエーター内部のモーターやギアが固着するのを防ぐことができます。

ほんの数十秒でできる簡単な作業が、将来の大きな出費を防いでくれます。FJクルーザーオーナーの「儀式」として、ぜひ習慣にしてください。

5-3. タフボディを維持する下回りの洗浄と防錆対策

サビは、ラダーフレーム構造を持つFJクルーザーにとって大敵です。特に、見えない下回りのケアが重要になります。

  • 定期的な下回り洗浄:オフロード走行後や、雪道を走った後はもちろん、普段から定期的に高圧洗浄機などで下回りの泥や汚れ、融雪剤を洗い流しましょう。これがサビの発生を抑える最も効果的な方法です。

  • 防錆コーティング(アンダーコート):購入時や車検のタイミングで、専門業者に下回りの防錆コーティングを施工してもらうのも非常に有効です。シャシー全体を特殊な塗料で覆うことで、サビの原因となる水分や塩分から守ってくれます。費用はかかりますが、クルマの寿命を考えれば価値のある投資と言えるでしょう。

5-4. トラブルを未然に防ぐ消耗品の早期交換

故障は、何の前触れもなく突然起こることもありますが、多くは消耗品の劣化が引き金となっています。大きなトラブルに発展する前に、消耗品は早め早めに交換する意識が大切です。

  • ドライブシャフトブーツ:破れてからでは手遅れです。タイヤ交換やオイル交換の際に、ひび割れがないかを目視で点検してもらう習慣をつけましょう。小さな亀裂が見つかった段階で交換すれば、被害を最小限に抑えられます。

  • ブレーキパッド/ローター:ブレーキは命に関わる重要部品です。残量が少なくなったらもちろん交換ですが、ジャダー(振動)などの違和感を覚えたら、すぐに点検してもらいましょう。

  • バッテリー:年数が経つと突然性能が低下することがあります。3~4年を目安に、テスターで状態をチェックしてもらい、必要であれば交換しましょう。

「まだ使えるから」と先延ばしにせず、「そろそろ危ないかも」という段階で交換することが、結果的に安全で経済的なカーライフに繋がるのです。

6. まとめ:FJクルーザーは愛情をかければ最高の相棒になる

この記事では、FJクルーザーが「壊れやすい」と言われる理由から、具体的な故障事例、そして失敗しない中古車選びのコツや長く付き合うためのメンテナンス術まで、詳しく解説してきました。

【FJクルーザーの故障問題のポイント】

  • 基本はタフ: 本来は過酷な使用を想定した、信頼性の高いエンジンと頑丈な骨格を持つクルマです。

  • 「壊れやすい」理由: 年式の古さによる経年劣化、特有の持病、そして中古車としての個体差が複合的に絡み合っています。

  • 定番のトラブル: デフロックの固着やドライブシャフトブーツの破れなど、事前に知っておくべきウィークポイントが存在します。

  • 中古車選びが肝心: 整備記録簿や下回りの状態をしっかり確認し、信頼できる販売店から購入することが重要です。

  • メンテナンスで長持ち: 定期的なオイル交換や持病の予防策、消耗品の早期交換を心がけることで、故障リスクは大幅に低減できます。

確かに、生産終了から時間が経った中古車である以上、ある程度のメンテナンスや、時には予期せぬ修理が必要になる場面もあるかもしれません。しかし、それはFJクルーザーが特別なクルマだからというわけではなく、古いクルマと付き合っていく上での、ある種の醍醐味とも言えます!