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型落ちレクサスはダサい?なぜそう言われる?理由と背景を深掘り

中古のレクサスを狙っているけど、「型落ちのレクサスって、もしかしてダサい?」なんて周りの目が気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事を読めば、なぜそういった声が上がるのかという理由から、型落ちモデルを逆に「センスいい!」と思わせる選び方、そしてスタイリッシュな乗りこなしまで、詳しく解説します。

1. 型落ちレクサスは本当に「ダサい」のか?

型落ちのレクサスは、決して一概に「ダサい」わけではありません。むしろ、選び方や乗りこなし方次第で、現行モデルにはない魅力と知性を感じさせる、非常におしゃれな選択肢になり得ます。

1-1. 一概に「ダサい」とは言えない!モデルと乗り手次第という真実

「型落ちレクサス」と一括りにするのは、少し乱暴かもしれませんね。レクサスには長い歴史があり、その中には今もなお色褪せない魅力を持つ名車が数多く存在します。例えば、日本の高級車の歴史を変えた初代LS(セルシオ)や、V8エンジンを搭載した刺激的なスポーツセダンIS Fなどは、その道のファンからすれば憧れの的です。

結局のところ、車がダサく見えるかどうかは、「どのモデルを」「どんな状態で」「誰がどのように乗っているか」という3つの要素に大きく左右されるんです。ピカピカに磨き上げられた状態の良い旧型モデルを、スーツの似合う紳士がスマートに乗りこなしていれば、誰も「ダサい」とは思わないでしょう。むしろ、その人の価値観やこだわりが感じられて、カッコいいとさえ思われるはずです。

1-2. なぜ「ダサい」という声が生まれるのか?その背景にあるもの

では、なぜ一部で「ダサい」というネガティブなイメージが付きまとうのでしょうか。これは、レクサスというブランドが持つ「高級車」というイメージが大きく関係しています。

新車ではなかなか手の届かない高級車だからこそ、中古でお手頃になった型落ちモデルが「無理して買った感」や「見栄を張っている感」に見えてしまうことがあるのです。特に、不相応に派手なカスタムが施されていたり、メンテナンスが行き届かずボロボロの状態だったりすると、その印象はさらに強まってしまいます。つまり、車そのものがダサいのではなく、車とオーナーの間に生じるミスマッチが、「ダサい」という印象を生み出す最大の原因と言えるでしょう。

1-3. むしろ「賢い選択」と言える、型落ちレクサスの魅力

ネガティブな声がある一方で、型落ちレクサスを選ぶことは、車好きから見れば「賢い選択」と評価されることも少なくありません。なぜなら、新車時に500万円、あるいは1000万円以上した高品質な車を、驚くほど手頃な価格で手に入れられるからです。

しっかりメンテナンスされてきたレクサスは、10年や10万kmを越えても、その静粛性や乗り心地の良さは健在です。現行モデルにはない大排気量の自然吸気エンジンなど、その時代ならではの魅力も味わえます。本当に価値を理解している人が、良質な中古車を丁寧に乗る。これこそ、成熟した大人のカーライフの楽しみ方の一つではないでしょうか。

2. なぜ?型落ちレクサスが「ダサい」と言われる5つの理由を徹底分析

「型落ちレクサスはダサい」という声が、なぜ上がってしまうのか。その背景には、いくつかの具体的な理由が考えられます。ここでは、多くの人が無意識に感じているであろう5つのポイントを深掘りし、その原因を分析していきましょう。これを理解することが、ダサ見えを回避する第一歩になります。

2-1. 理由①:ひと昔前のデザイン感覚(特にスピンドルグリル以前)

レクサスのデザインを語る上で欠かせないのが、2012年頃から本格的に採用された「スピンドルグリル」です。糸を巻き取る「スピンドル(紡錘)」の形をモチーフにした、あの特徴的なフロントグリルですね。今やレクサスの象徴とも言えるこのデザインは、非常にアグレッシブで先進的な印象を与えます。

裏を返せば、このスピンドルグリルが採用される以前のモデル、特に2000年代のレクサスは、良くも悪くも大人しく、保守的なデザインに見えがちです。当時はそれが上品さの証でしたが、現在の目で見ると、どうしても古臭さや野暮ったさを感じてしまう人がいるのも事実。特に、現行モデルのシャープなデザインに見慣れていると、そのギャップから「ダサい」という印象につながってしまうのです。

2-2. 理由②:ヤンチャなイメージを助長するカスタム

中古車市場、特に価格がこなれてきたセダンモデル(ISやGSなど)でよく見られるのが、いわゆる「VIP系」や「ヤンチャ系」と呼ばれるカスタムです。

  • 極端なローダウン(シャコタン)

  • ボディサイズに不釣り合いな大径・深リムホイール

  • 派手なエアロパーツ

  • 不必要に輝くメッキパーツの多用

これらのカスタムは、一昔前に流行したスタイルであり、現代のトレンドから見ると「時代遅れ」で「品がない」と受け取られがちです。もちろんカスタムは個人の自由ですが、レクサスが本来持つ上品なイメージを損ない、「威圧的」「近寄りがたい」といったネガティブな印象を与えてしまうことも少なくありません。こうした一部の過激なカスタム車のイメージが、型落ちレクサス全体の評判に影響を与えている側面は否定できないでしょう。

2-3. 理由③:「中古で無理して買った感」が出てしまう皮肉

これは非常にデリケートな問題ですが、多くの人が感じることの一つです。レクサスは誰もが知る高級ブランド。その新車価格は、ご存知の通り非常に高価です。そのため、中古で安くなった型落ちモデルに乗っていると、どうしても「本当は新車が欲しいけど、買えないから中古で我慢しているんだろうな」という穿った見方をされてしまうことがあるのです。

特に、以下のような状況が重なると、「無理してる感」は増幅されがちです。

  • 若すぎるオーナー

  • 車の品格と不釣り合いな服装や言動

  • メンテナンスが行き届いていない(汚れている、傷が多いなど)

本人は純粋にそのモデルが好きで乗っているだけだとしても、周囲からは見栄やステータスシンボルとして消費しているように見えてしまい、それが「ダサい」という評価につながるという、なんとも皮肉な現象です。

2-4. 理由④:維持費と車の状態のギャップという現実

型落ちレクサスは、車両本体価格こそ手頃になりますが、維持費は高級車のままです。税金、保険、そして何より修理費用は、同年代の国産大衆車とは比較になりません。例えば、少し特殊な部品が壊れただけで、修理に数十万円かかることもザラにあります。

この現実を知らずに、車両価格の安さだけで飛びついてしまうと、やがて維持費が払えなくなり、メンテナンスを怠るようになります。結果として、オイル交換はサボりがち、タイヤはツルツル、ボディは傷だらけ、ヘッドライトは黄ばんで曇っている…といった状態に。せっかくの高級車が、見るも無惨な姿になってしまうのです。

どんなに元が良い車でも、手入れされていない車はみすぼらしく見えます。この**「元は高級車なのに、状態が悪い」というギャップ**こそが、「持ち主の経済状況が伺えるようでダサい」と感じさせてしまう大きな要因なのです。

2-5. 理由⑤:現行モデルの圧倒的な進化とデザイン

自動車技術の進化は日進月歩です。特にレクサスのようなプレミアムブランドは、常に最先端の技術を投入してきます。安全性能、燃費、快適性、インフォテインメントシステム(ナビやオーディオなど)…どれをとっても、10年前のモデルと現行モデルでは雲泥の差があります。

デザイン面でも、前述のスピンドルグリルのように、ブランド全体のデザイン言語が大きく変化しています。現行モデルの洗練された内外装を知っていると、旧型モデルのインテリアデザインやナビ画面の古さに、どうしても時代を感じてしまいますよね。この現行モデルとの比較によって、相対的に旧型が「古くてダサい」と見えてしまうのは、ある意味仕方のないことなのかもしれません。

3. 逆に「センスいい!」と言われる型落ちレクサスの選び方

「ダサい」と言われる理由がわかったところで、次はどうすれば「センスいい!」と思われる型落ちレクサスを選べるのか、具体的な方法を見ていきましょう。ポイントは、流行に流されず、車の本質的な価値を見抜くことです。闇雲に安い個体に飛びつくのではなく、戦略的に選ぶことが成功への鍵となります。

3-1. モデル選びのポイント:時代を超えて愛される名車たち

すべての旧型モデルが古臭く見えるわけではありません。中には、その後の自動車業界に大きな影響を与えたり、唯一無二の個性を持っていたりすることで、時代を超えて評価され続ける「名車」が存在します。そういったモデルを選ぶことは、あなたの見識の高さを示すことにも繋がります。

3-1-1. 初代 LS (日本名:トヨタ・セルシオ UCF10/11型)

「レクサス」ブランドの礎を築いた伝説のモデルです。その圧倒的な静粛性と滑らかな乗り心地は「セルシオ・ショック」として世界に衝撃を与えました。四角く、威風堂々としたスタイルは今見ても色褪せず、コンディションの良い個体は「JDM(Japanese Domestic Market)」カルチャーの象徴として、海外でも絶大な人気を誇ります。この車を綺麗に乗っていると、「本当に車が好きな人なんだな」と一目置かれること間違いなしです。

3-1-2. IS F (USE20型)

レクサスのハイパフォーマンスモデル「F」の血統を最初に名乗った一台。コンパクトなISのボディに、5.0リッターV8自然吸気エンジンを詰め込んだモンスターセダンです。派手なエアロパーツに頼らず、盛り上がったフェンダーや4連エキゾーストテールパイプでさりげなく高性能を主張するスタイルは、まさに「羊の皮を被った狼」。その希少性と刺激的な走りから、今もなお熱狂的なファンを持つモデルです。

3-1-3. SC430 (UZZ40型)

電動開閉式のメタルトップを持つ、優雅なクーペカブリオレ。メルセデス・ベンツSLの対抗馬として開発され、豪華な内装と滑らかなV8エンジンが特徴です。その流麗なデザインは唯一無二で、街中で見かけるとハッとさせられる存在感があります。生産台数も少なく、人と被りたくない、優雅なカーライフを楽しみたいという方には最高の選択肢となるでしょう。

3-2. グレード選びの重要性:「F SPORT」や特別仕様車を狙う

同じ車種でも、グレードによって内外装のデザインや装備が大きく異なります。「ダサ見え」を避けるなら、スポーティで洗練された内外装を持つ「F SPORT(Fスポーツ)」を狙うのが鉄板です。

Fスポーツは、専用のスピンドルグリル(メッシュタイプ)、専用エアロパーツ、専用アルミホイール、そして専用のスポーツシートやステアリングなどが装備されており、標準グレードとは一線を画す精悍な雰囲気を持っています。中古車市場でも人気が高く、リセールバリュー(再販価値)も期待できるため、少し予算を上乗せしてでも選ぶ価値は十分にあります。

また、時折発売される「特別仕様車」も狙い目です。特別なボディカラーや内装、専用装備などが与えられており、通常モデルにはない希少性と満足感を得られます。

3-3. ボディカラーで差をつける:定番色でも状態が命

ボディカラーは車の印象を大きく左右する重要な要素です。型落ちレクサスをおしゃれに見せるなら、奇抜な色よりも、ホワイト、ブラック、シルバーといった定番色がおすすめです。これらの色はレクサスの高級感を最も引き立て、飽きが来ず、手放す際にも有利です。

ただし、最も重要なのは「塗装の状態」です。いくら人気色でも、色褪せていたり、洗車傷だらけだったりすると、一気に古臭く見えてしまいます。購入時には、屋外の太陽光の下でボディ全体を様々な角度からチェックし、艶やかで深みのある塗装が保たれているかを確認しましょう。状態の良い塗装は、それだけで車を何年も新しく見せてくれます。

3-4. 状態の良い個体を見極める方法

最終的に最も重要なのが、車のコンディションです。以下のポイントを参考に、極上の個体を見つけ出しましょう。

  • 記録簿(メンテナンスノート)の確認:過去にどのようなメンテナンスが、いつ、どこで(特にディーラー整備か)行われてきたかを確認します。記録簿がしっかりしている車は、大切に扱われてきた証拠です。

  • 内装の綺麗さ:シートのヘタリやスレ、ステアリングのテカリ、ダッシュボードの傷などをチェックします。内装の状態は、前オーナーの乗り方を如実に反映します。

  • 修復歴の有無:車の骨格部分を修理した「修復歴車」は、安全性や走行性能に問題を抱えている可能性があるため、基本的には避けましょう。

  • 禁煙車かどうか:タバコの臭いやヤニ汚れは、後から完全に取り除くのが非常に困難です。非喫煙者の方は特に注意してください。

  • 試乗:可能であれば必ず試乗させてもらい、エンジンやトランスミッション、足回りから異音や違和感がないかを確認しましょう。

これらのポイントをしっかり押さえることで、「安物買いの銭失い」を避け、長く付き合える最高のパートナーを見つけることができるはずです。

4. 型落ちレクサスを「ダサい」から「カッコいい」へ変える乗りこなし術

最高の個体を見つけたら、次はその魅力を最大限に引き出す「乗りこなし術」が重要になります。少しの意識と手間で、あなたのレクサスは「ダサい型落ち」から「センスのいい選択」へと生まれ変わります。ここでは、誰でも実践できる4つの秘訣をご紹介します。

4-1. ノーマル状態を美しく維持する「クリーン派」という選択

意外に思われるかもしれませんが、型落ちレクサスを最もカッコよく見せる方法は、「フルノーマル」の状態を徹底的に美しく保つことなんです。下手にいじるのではなく、メーカーのデザイナーが意図したオリジナルのデザインを尊重し、その美しさを維持することに全力を注ぐのです。

  • 定期的な洗車とワックスがけ:ボディの艶は車の生命線です。こまめに洗車し、高品質なワックスやコーティングで塗装面を保護しましょう。特に、ホイールやタイヤが綺麗な車は、全体が引き締まって見えます。

  • 細部のクリーニング:窓ガラスの縁の汚れ、エンブレム周りの水垢、未塗装樹脂パーツの白ボケなど、細かい部分まで気を配ると、車全体の清潔感が格段にアップします。

  • ヘッドライトの黄ばみ対策:ヘッドライトが黄ばんでいると、一気に車が古びて見えます。専用のクリーナーで磨いたり、プロにコーティングを依頼したりして、常にクリアな状態を保ちましょう。

この「クリーン派」スタイルは、車の良さを本当に理解している大人の余裕を感じさせ、「この人は車を大切にしているんだな」という好印象を与えます。

4-2. やりすぎない上品なドレスアップのコツ

もしカスタムをする場合でも、「やりすぎない」ことが鉄則です。目指すべきは、純正の雰囲気を壊さずに、プラスアルファの個性を加える「上品なドレスアップ」です。

  • ホイール交換:ホイールを交換するなら、インチアップは控えめに(純正プラス1インチ程度)。デザインは、派手なメッキ系よりも、シンプルでスポーティなBBSやRAYSといった信頼できるブランドの鍛造ホイールなどがおすすめです。全体の品格がぐっと上がります。

  • ローダウン:車高を下げるなら、純正の乗り心地を損なわない高品質なサスペンションキットを選び、下げ幅も指2本分が入る程度に留めるのが大人の選択です。ベタベタの車高短は避けましょう。

  • 純正オプションの流用:後期モデルのテールランプや、上位グレードのパーツを流用するといったカスタムは、玄人好みで満足度が高いです。

要は「引き算の美学」です。あれもこれもと付け足すのではなく、本当に効果的な部分にだけ手を入れることで、洗練されたスタイルが完成します。

4-3. TPOをわきまえたスマートな振る舞い

どんなにカッコいい車に乗っていても、乗り手の振る舞いが伴っていなければ台無しです。レクサスというブランドイメージにふさわしい、スマートなドライビングと立ち振る舞いを心がけましょう。

  • 運転マナー:無理な割り込みや煽り運転は論外です。常に周りの車に気を配り、譲り合いの精神で穏やかに運転しましょう。

  • 駐車場所:お店の出入り口の真ん前や、狭い場所に無理やり停めるのはやめましょう。少し離れた場所でも、枠内にきちんと停めるのがスマートです。

  • 乗り降り:ドアを勢いよく開け閉めしたり、大音量で音楽をかけたりするのは品がありません。乗り降りは静かに、エレガントに行いましょう。

こうした一つ一つの振る舞いが、あなたとあなたの車の品格を高めてくれるのです。

4-4. 見落としがち?内装の清潔感が外見以上に重要

外装をピカピカにしていても、車内に乗り込んだ瞬間にゴミが散乱していたり、ホコリっぽかったりすると、一気に幻滅されてしまいます。実は、同乗者が最も目にするのは内装です。内装の清潔感は、外装以上に重要と言っても過言ではありません。

  • 整理整頓:不要なものは車内に置かず、常にスッキリとした状態を保ちましょう。

  • 定期的な清掃:フロアマットの砂やホコリを掃除機で吸い取り、ダッシュボードや内張りを固く絞ったクロスで拭くだけでも、見違えるほど綺麗になります。

  • 臭い対策:芳香剤でごまかすのではなく、無香の消臭剤を使ったり、定期的に換気したりして、クリーンな空気を保ちましょう。特に食べ物の臭いやタバコの臭いは厳禁です。

清潔で居心地の良い車内空間は、あなた自身の評価を高めるだけでなく、大切な同乗者へのおもてなしにもなります。

5. 要注意!避けるべき「ダサい」と断定されやすい型落ちレクサスの特徴

これまでの章では「カッコよく見せる方法」に焦点を当ててきましたが、ここでは逆に「これをやったら一発でダサく見えてしまう」というNG例を具体的に解説します。知らず知らずのうちに、あなたの愛車が「ダサいレクサス」の烙印を押されないよう、これらのポイントは絶対に避けるようにしましょう。

5-1. 過度なローダウンや分不相応な大径ホイール

これは「ダサいと言われる理由」でも触れましたが、最も陥りやすい失敗例です。タイヤがフェンダーに隠れてしまうほどの極端なローダウン(車高短)や、乗り心地を完全に無視したペラペラの扁平タイヤを履かせた大径ホイールは、2025年の今となっては時代遅れの象徴です。

  • 品性の欠如:レクサスが持つエレガントさを完全に打ち消し、威圧的で幼稚な印象を与えます。

  • 実用性の低下:少しの段差も乗り越えられず、乗り心地は最悪。同乗者からも不評を買うこと間違いなしです。

  • 周囲への迷惑:腹下を擦りながら走る姿は、見ている側も不快に感じます。

カスタムは、車の性能や美観を「向上」させるために行うもの。性能を著しく悪化させ、品位を下げるようなカスタムは、百害あって一利なしと心得るべきです。

5-2. 意味不明なエンブレムチューンや大量のステッカー

これもまた、やりがちなNGカスタムです。

  • エンブレムチューン:標準グレードなのに「F SPORT」のエンブレムを付けたり、全く関係のない他メーカーのエンブレムを貼ったりする行為。これは、自分の車に対するコンプレックスの表れと見なされ、非常に痛々しく映ります。「わかってない人」というレッテルを貼られるだけなので、絶対にやめましょう。

  • ステッカーチューン:レーシングカーのように、ボディのあちこちにパーツメーカーのステッカーをベタベタ貼るのも考えものです。本当にそのパーツを使っているならまだしも、見た目だけで貼るのは「なんちゃって感」が満載で、安っぽく見えてしまいます。ステッカーを貼るなら、ワンポイントでセンス良く、が鉄則です。

自分の車に誇りを持つなら、偽りの姿で飾る必要はないはずです。

5-3. メンテナンス不足でボロボロの外装・内装

どんな高級ブランドの服も、シワだらけでシミが付いていては台無しですよね。車も全く同じです。

  • 黄ばんだヘッドライト:車の「目」であるヘッドライトが曇っていると、車全体が疲れて老けた印象になります。

  • ガリ傷だらけのホイール:足元のおしゃれは基本中の基本。ホイールのガリ傷は、運転が雑であることの証明のようで、非常にみっともなく見えます。

  • 色褪せたボディと剥げたクリア塗装:明らかに手入れを怠ってきたことが見て取れ、車への愛情のなさを感じさせます。「高級車を維持できないなら乗るな」とまで思われかねません。

  • 汚れた内装:ホコリまみれのダッシュボード、シミだらけのシート、ゴミが散乱した足元。これはもう論外です。オーナーの品性を疑われても仕方がありません。

車両価格が安くても、レクサスは高級車です。その事実に誇りを持ち、敬意を払ってメンテナンスすることが、オーナーの務めと言えるでしょう。

5-4. 年式不相応の最新風カスタム

古いモデルに、無理やり最新のトレンドを取り入れようとするカスタムも、かえってちぐはぐで「ダサい」印象を与えがちです。

例えば、2000年代のモデルのヘッドライトに、無理やり「流れるウインカー(シーケンシャルウインカー)」を後付けしたり、古風なデザインのインテリアに不釣り合いな大型タブレットを埋め込んだりするようなカスタムです。

全体のデザインバランスが崩れ、後付け感が丸出しになってしまい、オリジナルの良さも最新の良さも両方失ってしまいます。古いモデルには、その時代の良さがあります。無理に若作りをさせるのではなく、年相応の魅力を引き出す方向で考える方が、結果的にずっとスタイリッシュに見えるものなのです。

6. 購入前に再確認!型落ちレクサスのメリット・デメリット

ここまで、型落ちレクサスをスタイリッシュに乗るための方法を解説してきましたが、最後に改めて、購入する上でのメリットとデメリットを冷静に整理しておきましょう。感情だけでなく、理性で判断することが、後悔のない車選びに繋がります。

6-1. メリット①:高品質な車を驚きの価格で手に入れられる

なんと言ってもこれが最大のメリットです。新車時には500万円から、上級モデルでは1000万円を超えていた高級車が、数十万円から300万円程度の予算で手に入る可能性があります。

  • 圧倒的なコストパフォーマンス:同価格帯で買える新車の軽自動車やコンパクトカーとは、静粛性、乗り心地、パワー、内外装の質感など、あらゆる面で比較になりません。

  • 高い基本性能:レクサスはもともと非常に高い品質基準で作られています。そのため、適切なメンテナンスさえされていれば、10年10万kmを超えても、その滑らかな乗り味は健在です。

憧れだった車に、現実的な価格で乗れる。これは何物にも代えがたい喜びと言えるでしょう。

6-2. メリット②:現行モデルにはない独特の魅力とエンジン

技術の進化は素晴らしいことですが、その過程で失われてしまったものもあります。型落ちモデルには、現代の車にはない魅力が詰まっています。

  • 大排気量自然吸気エンジン:近年のダウンサイジングターボやハイブリッドとは全く違う、滑らかで官能的なフィーリングを持つ大排気量のV6やV8エンジン。アクセルを踏み込んだ時のサウンドと、どこまでも伸びていくような加速感は、一度味わうと病みつきになります。

  • その時代ならではのデザイン:スピンドルグリル以前の穏やかで上品なデザインや、そのモデルにしかない独特の雰囲気を好む人も少なくありません。流行を追うのではなく、自分の好きな時代のデザインを選べるのも中古車の醍醐味です。

6-3. デメリット①:高額になりがちな維持費と修理費

購入前に最も覚悟しておくべき点です。車両価格は安くても、維持費は高級車のまま。

  • 税金:排気量が大きいモデルが多いため、自動車税は高額になります。

  • 消耗品:タイヤやブレーキパッドなどの消耗品も、高性能なものが指定されているため、一般的な国産車よりも高価です。

  • 故障時の修理費:これが一番の懸念点です。一つの電子部品が壊れただけで10万円、エアコンや足回りの修理となれば数十万円の出費も覚悟しなければなりません。特にハイブリッドモデルのバッテリー交換は高額になる可能性があります。

購入予算とは別に、年間数十万円の維持費と、いざという時のための修理費用を準備しておく必要があります。

6-4. デメリット②:燃費や安全性能は最新モデルに劣る

当然のことですが、10年以上前のモデルと最新モデルとでは、燃費性能や安全性能に大きな差があります。

  • 燃費:街乗りではリッター5~7km程度というモデルも珍しくありません。現在のガソリン価格を考えると、毎月の燃料代はかなりの負担になる可能性があります。

  • 安全装備:自動ブレーキやレーダークルーズコントロールといった現代の先進安全装備(ADAS)は、装備されていないか、装備されていても性能は限定的です。

  • インフォテインメント:ナビゲーションの地図が古かったり、Bluetooth接続ができなかったりと、車内のデジタル環境に不便を感じる場面もあるでしょう。

これらの点をどこまで許容できるか、自分のカーライフと照らし合わせて考えることが重要です。

7. まとめ:型落ちレクサスは、あなたの価値観を映す鏡

さて、ここまで「型落ちレクサスはダサいのか?」というテーマを、様々な角度から深掘りしてきました。

結論として、型落ちレクサスがダサいかどうかは、車そのものではなく、選び方、維持の仕方、そして乗り手の姿勢、この3つに全てかかっていると言えるでしょう。

【型落ちレクサス選びの重要ポイント】

  • ダサ見えの原因を理解する:古臭いデザイン、ヤンチャなカスタム、無理してる感、メンテナンス不足が主な原因。

  • センスのいいモデルを選ぶ:時代を超える名車や、F SPORTなどの人気グレードを狙う。

  • コンディションを最優先:記録簿を確認し、内外装が綺麗な個体を厳選する。

  • 上品な乗りこなしを心がける:ノーマルを美しく維持するか、品の良いカスタムに留める。そして何より、清潔感を保ち、スマートな運転をすること。

  • デメリットを覚悟する:維持費は高級車。修理費や燃費、古い装備については理解と準備が必要。

雑に扱われた安い個体は、確かに「ダサい」と言われても仕方がないかもしれません。しかし、車の価値を理解し、愛情を持って丁寧にメンテナンスされた一台は、乗り手の知性や美意識を雄弁に物語る、最高のパートナーとなり得ます。

型落ちレクサスを選ぶということは、流行に流されず、自分の価値観で本物を見抜く行為です。それは、あなたのライフスタイルそのものを豊かにしてくれる、素晴らしい体験になるはずです。