ジムニーフリーク!

For offroad vehicle lovers

エクストレイルが人気ない理由を詳しく深掘り!ユーザーからも好評なのになぜ不人気で売れないのか

日産エクストレイルの走りの評価はすごく高いですが、なぜだか思ったより売れてないようです。静かで力強いe-POWERの走りや、上質な内外装は多くのユーザーから好評なのに、どうして販売台数が伸び悩んでいるのでしょうか。

この記事では、エクストレイルが不人気の理由を、価格設定やライバル車との比較、先代からの変化などあらゆる角度から徹底的に深掘りしてみます。

1. なぜエクストレイルが売れない?

新型エクストレイル(T33型)は、2022年の登場以来、その革新的な技術と上質な乗り味で自動車評論家や試乗したユーザーから非常に高い評価を得ています。しかし、その評価とは裏腹に、販売台数を見ると少し寂しい状況が続いているのも事実。「エクストレイルは良いクルマなのに、なぜ売れないのか?」という声は、多くのクルマ好きが感じていることではないでしょうか。

まずは、エクストレイルが置かれている客観的な状況と、評価と販売実績の間に生まれているギャップについて見ていきましょう。

1-1. 販売台数データで見るエクストレイルの立ち位置

実際の販売台数を見てみると、エクストレイルの苦戦が数字として表れています。一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表する月別の新車販売台数ランキングを見ると、同じミドルサイズSUVのライバルたちが上位に名を連ねる中、エクストレイルはトップ10圏外にいることが多いのが現状です。

例えば、絶対的な王者であるトヨタのRAV4やハリアーは、常に販売台数ランキングの上位をキープしています。マツダのCX-5も安定した人気を誇ります。こうしたライバル車は月に数千台をコンスタントに販売していますが、エクストレイルはそれに及ばない月が少なくありません。

もちろん、半導体不足などの生産上の問題も影響している可能性はありますが、それを差し引いても、かつてSUV市場を牽引したエクストレイルの名前がランキング上位で見られないのは、少し寂しい気がしますよね。この販売台数のデータが、「エクストレイルは売れていない」というイメージの一因になっていることは間違いないでしょう。

1-2. ユーザー評価は高いのに…SNSや口コミでのポジティブな声

一方で、実際にエクストレイルを購入したオーナーや、試乗した人からの評判は驚くほど高いんです。SNSや価格比較サイトのレビューを見てみると、

「e-POWERの静かさと加速のスムーズさは一度味わうと病みつきになる!」「e-4ORCEのおかげで、雨の日や雪道でも安心して走れる」「内装の質感がめちゃくちゃ高い」 「プロパイロットが進化していて、高速道路の運転が楽」といった、走りの質や内外装の高級感を絶賛する声が数多く見られます。

特に、エンジンで発電してモーターだけで走る「第2世代e-POWER」と、前後2つのモーターを緻密に制御する電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE(イーフォース)」が生み出す走りの体験は、これまでのガソリン車とは一線を画すものとして、多くのユーザーに感動を与えています。

1-3. 不人気というレッテルは本当か?評価と販売のギャップ

このように、販売台数とユーザー評価の間には大きなギャップが存在します。クルマの性能や魅力といった「実力」は非常に高いにもかかわらず、それが販売実績という「結果」に結びついていない。これが、エクストレイルが抱えるもどかしい現状です。

「不人気」という言葉は少し厳しいかもしれませんが、「実力の割に販売が伸び悩んでいる」というのが、より正確な表現でしょう。なぜこのようなギャップが生まれてしまったのでしょうか。次の章では、その核心に迫るべく、エクストレイルが売れないと言われる具体的な理由を一つひとつ詳しく分析していきます。

2. エクストレイルが売れない7つの理由

オーナー満足度は高いのに、なぜ多くのユーザーの選択肢から外れてしまうのか。そこには、単一ではない、いくつかの複合的な理由が絡み合っています。ここでは、エクストレイルの販売が伸び悩む要因として考えられる7つの理由を、ライバル車との比較も交えながら深掘りしていきます。

2-1. 理由①:強気すぎる価格設定!ライバル車との比較

最も大きな理由として挙げられるのが、その車両価格です。新型エクストレイルの価格は、最も安価な2WDモデルでも約351万円から。そして、最大の魅力である「e-4ORCE」を搭載した4WDモデルは、約376万円からのスタートとなります。

【主要ミドルサイズSUVの価格比較(2WDのエントリーグレード付近)】

車種 パワートレイン 価格(税込)
日産 エクストレイル e-POWER (ハイブリッド) 約351万円~
トヨタ RAV4 ガソリン 約293万円~
トヨタ RAV4 ハイブリッド 約353万円~
トヨタ ハリアー ガソリン 約312万円~
トヨタ ハリアー ハイブリッド 約371万円~
マツダ CX-5 ガソリン 約290万円~

もちろん、e-POWERの優れた走行性能を考えれば、その価格に見合った価値があることは間違いありません。しかし、多くのユーザーにとって、購入時の初期費用は非常に重要な要素。「乗り出しで400万円、500万円を超える」となると、心理的なハードルが高くなるのは当然ですよね。特に、強力なライバルであるRAV4やハリアーが、より手頃な価格帯から選択できることが、エクストレイルの価格設定をより際立たせてしまっているのです。

2-2. 理由②:先代(T32型)からの大きなコンセプト変更

先代モデルであるT32型エクストレイルは、「タフギア」というコンセプトを掲げ、防水シートや広い荷室など、アウトドアシーンでガンガン使える「道具感」が大きな魅力でした。手頃な価格も相まって、若い世代やファミリー層から絶大な支持を得ていたんです。

しかし、新型のT33型は、そのコンセプトを大きく転換。上質な内外装や静かで滑らかな走りを持つ「プレミアムSUV」へと舵を切りました。この路線変更が、これまでのファン層を戸惑わせてしまった可能性があります。

2-2-1. タフギアから上質路線へのシフト

新型の内外装は、確かに質感が高く、高級感があります。しかし、先代の「汚れた服や道具を気にせず放り込める」ような気軽さは薄れてしまいました。これまでエクストレイルを選んできたユーザー層が求めていた価値と、新型が提供する価値との間にズレが生じてしまったのかもしれません。「エクストレイルはこういうクルマじゃなかったんだけどな…」と感じた長年のファンも少なくないでしょう。

2-2-2. 3列シート仕様の廃止

先代モデルには、いざという時に役立つ3列シート7人乗り仕様が設定されており、これがファミリー層から選ばれる大きな理由の一つでした。ところが、新型ではこの3列シート仕様が廃止され、全車5人乗りとなってしまいました。

ミドルサイズSUVで3列シートの選択肢は貴重であり、三菱 アウトランダーやマツダ CX-8など、ライバルには7人乗り仕様が存在します。多人数乗車の可能性があるユーザーにとって、エクストレイルは最初から選択肢に入らなくなってしまったのです。

2-3. 理由③:複雑で分かりにくい第2世代e-POWERとVCターボ

エクストレイルの核となる技術、「第2世代e-POWER」と、発電専用の「VCターボエンジン」。これは非常に画期的で優れた技術なのですが、その仕組みが一般のユーザーには少し分かりにくい、という側面があります。

「エンジンで発電して、モーターだけで走る」と言われても、「それって普通のハイブリッドと何が違うの?」と感じる人は多いはずです。エンジンはあくまで発電に徹し、駆動は100%モーターが行うことで得られる、EVのようなシームレスで力強い加速感や静粛性がe-POWERの真骨頂。しかし、このユニークな価値をカタログや短い試乗だけで伝えるのは非常に難しいのです。

さらに、発電用エンジンには世界初の可変圧縮比エンジンVCターボが採用されています。これは、走行状況に応じてエンジンの圧縮比を変化させ、燃費とパワーを両立させる革新的な技術。ですが、この凄さもまた、ユーザーにはなかなか伝わりにくいのが現実です。「なんだかよく分からないけど、すごい技術らしい」で終わってしまい、購入の決め手になりづらいのかもしれません。

2-4. 理由④:強力すぎるライバル車

日本のミドルサイズSUV市場は、まさに激戦区。強力なライバルがひしめき合っていることも、エクストレイルが苦戦する大きな理由です。

2-4-1. トヨタ RAV4/ハリアーという絶対王者

トヨタのRAV4とハリアーは、このクラスの絶対的な王者です。 RAV4は、アクティブで力強いデザインと、ガソリン、ハイブリッド、そしてPHEV(プラグインハイブリッド)という多彩なパワートレイン、さらに悪路走破性に特化した「Adventure」グレードなど、幅広い選択肢でユーザーの多様なニーズに応えています。

一方のハリアーは、流麗で都会的なデザインと、高級感あふれる内外装で圧倒的なブランド力を確立。指名買いするユーザーが後を絶ちません。 この強力な2台が存在することで、多くのユーザーの関心がトヨタに向いてしまうのが現実です。

2-4-2. マツダ CX-5/CX-60のディーゼルという選択肢

マツダのCX-5も根強い人気を誇るライバルです。その魅力は、欧州車のような洗練されたデザインと、コストパフォーマンスの高さ。そして、力強く経済的な「ディーゼルエンジン」という明確な選択肢を持っている点です。軽油の安さやトルクフルな走りを求めるユーザーにとって、マツダは非常に魅力的な存在です。

2-4-3. 三菱 アウトランダーPHEVとの兄弟車関係

エクストレイルとプラットフォーム(車体の骨格)を共有する兄弟車が、三菱のアウトランダーPHEVです。アウトランダーは全車PHEV(プラグインハイブリッド)であり、外部からの充電が可能。EVとしての走行距離が長く、いざという時には給電機能も備えています。国の補助金を活用すると、エクストレイルの上級グレードと価格帯が近くなるため、「それならPHEVのアウトランダーの方が良いかも」と考えるユーザーも少なくありません。

2-5. 理由⑤:好みが分かれるデザイン

エクストレイルのデザインは、Vモーショングリルや上下2段に分かれたヘッドライトなど、先進的でモダンな印象です。しかし、先代の持つような分かりやすい「逞しさ」や「アクティブさ」は少し後退したかもしれません。

デザインの好みは人それぞれですが、より都会的で洗練されたスタイルになったことで、アウトドアギアとしての道具感を求める層には響きにくくなった可能性があります。一方で、ハリアーほどエレガントでもなく、RAV4ほどワイルドでもない、という中間のポジショニングが、逆に個性を埋没させてしまっていると感じる人もいるようです。

2-6. 理由⑥:日産ブランド全体の課題と販売戦略

少し大きな視点で見ると、近年の日産自動車が抱えるブランドイメージや販売戦略も影響しているかもしれません。セレナやノート、サクラなど、e-POWERを搭載した車種がヒットする一方で、かつてのような「技術の日産」としてのワクワク感や、スポーツカーのイメージが少し薄れてしまったと感じるクルマ好きもいます。

また、ディーラーの販売力やプロモーションの仕方なども、ライバルのトヨタに比べると苦戦している部分があるのかもしれません。どんなに良いクルマでも、その魅力がユーザーに届かなければ販売にはつながりませんからね。

2-7. 理由⑦:半導体不足や生産体制の影響

これはエクストレイルに限った話ではありませんが、世界的な半導体不足やサプライチェーンの混乱は、自動車メーカー各社の生産計画に大きな影響を与えました。エクストレイルも、発売当初は納期が長期化し、乗りたいと思ってもすぐに手に入らない状況がありました。こうした生産の遅れが、販売の勢いを削いでしまった可能性も否定できません。

以上のように、エクストレイルが「売れていない」と言われる背景には、価格、コンセプト、ライバル、デザイン、ブランド戦略など、様々な要因が複雑に絡み合っているのです。

3. エクストレイルの真の実力!不人気ならではの魅力

ここまでエクストレイルが売れ行きに苦戦する理由を分析してきましたが、だからといってエクストレイルが魅力のないクルマだということでは決してありません。むしろその逆です!販売台数だけでは測れない、オーナーになった人だけが深く実感できる、圧倒的な魅力と実力を秘めているんです。

3-1. 静粛性と加速フィールは唯一無二!「e-POWER」の真価

エクストレイルの最大の魅力は、やはり「第2世代e-POWER」がもたらす走りです。エンジンは発電に徹し、100%モーターの力で駆動するため、その感覚はまるで高級な電気自動車(EV)のよう。

アクセルを踏んだ瞬間から、タイムラグなくスーッと滑らかに、そして力強く加速していきます。信号待ちからの発進や高速道路への合流など、あらゆるシーンでストレスのない思い通りの加速が手に入ります。ガソリン車のようなエンジン音の高まりや変速ショックが一切ないため、どこまでもスムーズ。この感覚は、一度味わうと本当にやみつきになります。

そして、特筆すべきはその静粛性です。エンジンは発電のために時々かかりますが、車内への騒音や振動が徹底的に抑え込まれています。走行中はロードノイズや風切り音も非常に小さく、運転しながら同乗者と普通の声で会話を楽しめる。この静かで上質な移動空間は、ライバルのハイブリッド車と比べても頭一つ抜けていると言えるでしょう。長距離ドライブの疲れ方がまったく違ってきますよ。

3-2. 電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」がもたらす革新的な走り

エクストレイルの走りの質をもう一段階上のレベルに引き上げているのが、4WDモデルに搭載される「e-4ORCE(イーフォース)」です。これは、前後に2つの高出力モーターを搭載し、それぞれのトルクを1/10000秒という驚異的な速さで緻密に制御する日産独自の技術です。

この技術がもたらす恩恵は絶大です。 例えば、カーブを曲がる時。ハンドルを切った通りに、まるで路面に吸い付くかのようにスッと曲がっていきます。クルマの揺れが少ないので、後席に乗っている人も車酔いしにくいんです。

雨で濡れた路面や雪道などの滑りやすい場面では、タイヤのスリップを瞬時に検知し、最適な駆動力を4つのタイヤに配分してくれるので、驚くほど安定して走ることができます。「どんな天気でも安心して運転できる」という信頼感は、何物にも代えがたい価値ですよね。

さらに、ブレーキをかけた時の姿勢制御も秀逸です。普通のクルマだと、ブレーキ時に前のめりになりがちですが、e-4ORCEは回生ブレーキを巧みにコントロールして、車体の沈み込みを抑え、常にフラットな乗り心地を保ってくれます。この乗り心地の良さも、同乗者から喜ばれるポイントです。

3-3. クラスを超えた上質な内外装と先進装備

先代からのコンセプト変更に戸惑う声がある一方で、新型エクストレイルの内外装の質感の高さは、素直に賞賛すべき点です。

インパネ周りには手触りの良いソフトパッドがふんだんに使われ、オプションのタン色のナッパレザーシートを選べば、まるで欧州の高級SUVのような華やかな空間が広がります。12.3インチの大型ディスプレイや、BOSEのプレミアムサウンドシステムなど、先進的で満足度の高い装備も充実しています。

「ハリアーの内装はすごい」とよく言われますが、エクストレイルも決して負けていません。むしろ、スイッチ類の操作性なども含め、機能性と質感を高いレベルで両立させていると言えるでしょう。この上質な空間が、e-POWERの静かな走りと相まって、この上なく快適なドライブ体験を生み出してくれるのです。

3-4. 実は燃費も優秀!VCターボ発電エンジンとの組み合わせ

「e-POWERは走りは良いけど燃費はイマイチ」なんて声も過去にはありましたが、新型エクストレイルは燃費性能も大きく進化しています。その立役者が、発電に特化したVCターボエンジンです。

このエンジンは、効率の良い回転数を保って発電に徹することができるため、WLTCモード燃費はe-4ORCE(4WD)でも18.4km/Lと、このクラスの4WD・SUVとしては非常に優秀な数値を実現しています。静かで力強い走りを楽しみながら、お財布にも優しい。これは大きな魅力ですよね。

このように、エクストレイルは価格やコンセプトの課題を抱えつつも、それを補って余りあるほど「クルマとしての本質的な実力」が高い一台なのです。

4. エクストレイル購入で後悔しないためのポイント

エクストレイルが持つ独自の魅力と、販売面での課題。その両方を理解した上で、「じゃあ、自分にとってエクストレイルは“買い”なのだろうか?」と考える方も多いでしょう。ここでは、エクストレイルの購入で後悔しないために、知っておきたいポイントをまとめました。

4-1. こんな人にはエクストレイルがおすすめ!

エクストレイルの魅力が最大限に活きるのは、次のような志向を持つ方々です。

  • 走りの質と乗り心地を最優先する人: とにかく静かで滑らかな、上質な乗り味を求めるなら、エクストレイルは最高の選択肢の一つです。特にe-4ORCEがもたらす安定感と快適性は、他のSUVでは味わえません。長距離運転が多い方や、同乗者に快適な移動時間を提供したい方には、心からおすすめできます。

  • 最新の電動化技術に興味がある人: 100%モーター駆動のe-POWERは、これまでのハイブリッド車とはまったく異なる新しい運転感覚です。EVに興味はあるけれど、充電インフラに不安がある…という方にとって、自分で発電するエクストレイルは理想的な一台と言えるでしょう。

  • 雪国在住の方やウィンタースポーツを楽しむ人: e-4ORCEの雪道での安定性は絶大です。凍結路面での発進や、雪の積もったカーブなど、あらゆる場面で抜群の安心感をもたらしてくれます。雪国にお住まいの方や、スキー・スノーボードによく出かける方にとって、これほど頼もしい相棒はいないはずです。

4-2. 購入前に必ずチェックすべきライバル車との比較

一方で、エクストレイルが自分のニーズに合っているかを見極めるためには、ライバル車との比較試乗が欠かせません。

  • トヨタ RAV4/ハリアー:ガソリンモデルの手頃さや、ハイブリッドの燃費性能、そしてブランドとしての安心感を重視するなら、こちらも必ず試乗しておきましょう。乗り比べて初めてわかる、エクストレイルの静粛性の高さを実感できるはずです。

  • マツダ CX-5:内外装の質感の高さと、コストパフォーマンスを比較してみましょう。特にディーゼルエンジンの力強いトルク感は、e-POWERとはまた違った魅力があります。

  • 三菱 アウトランダーPHEV:自宅で充電できる環境があるなら、兄弟車のアウトランダーも有力な選択肢です。補助金適用後の実質価格や、EV走行距離の長さを比較検討することが重要です。

これらのライバルとじっくり比較することで、エクストレイルが持つ独自の価値がより明確になり、納得感のあるクルマ選びができるでしょう。

4-3. お得に購入するための交渉術やタイミング

スタート価格が高いエクストレイルですが、少しでもお得に購入するための方法も考えてみましょう。日産はトヨタに比べて、ディーラーでの値引き交渉に応じてくれやすい傾向があると言われています。

まずは複数の日産ディーラーを回り、相見積もりを取ることが基本です。また、決算期の3月や9月、ボーナス商戦の夏と冬は、ディーラーも販売台数を伸ばしたいため、通常よりも大きな値引きが期待できるタイミングです。

さらに、下取りに出す愛車の査定額も重要。ディーラー下取りだけでなく、買取専門店などでも査定してもらい、最も高い価格を提示してくれたところに売却することで、購入資金を増やすことができます。

4-4. 試乗で体感すべき「静粛性」と「e-4ORCE」の走り

エクストレイルの真価は、カタログスペックだけでは絶対に分かりません。購入を検討するなら、絶対に試乗、それも少し長めの時間での試乗を強くおすすめします。

試乗の際には、ぜひ以下のポイントを意識して体感してみてください。

  • 街中での静かさ:信号待ちでエンジンがかかった時の音や振動がどれだけ小さいか。

  • 滑らかな加速:アクセルを少し踏んだだけで、どれだけスムーズに速度が乗るか。

  • e-4ORCEの安定感:少しきつめのカーブを曲がった時の、車体の揺れの少なさ。

  • 乗り心地の良さ:わざと路面の悪い場所を走ってみて、衝撃のいなし方がどれだけ上手か。

これらのポイントを体感すれば、エクストレイルの価格にもきっと納得できるはずです。「乗ればわかる」とは、まさにこのクルマのためにある言葉なのです。

5. 今後のエクストレイルはどうなる?マイナーチェンジや販売戦略

高い実力を持ちながらも販売に苦戦するエクストレイル。この状況を打破するために、日産が今後どのような手を打ってくるのか、気になるところですよね。ここでは、今後のエクストレイルについて、いくつかの可能性を予測してみたいと思います。

5-1. 価格改定や廉価グレード追加の可能性

やはり最大の課題は価格設定です。今後のマイナーチェンジや一部改良のタイミングで、装備をシンプルにした廉価グレードが追加される可能性は十分に考えられます。例えば、プロパイロットなどの先進運転支援システムをオプション設定にしたり、内装の加飾をシンプルにしたりすることで、スタート価格を300万円台前半に抑えることができれば、販売状況は大きく変わるでしょう。

また、市場の反応を見て、戦略的な価格改定(実質的な値下げ)が行われることも期待したいところです。

5-2. デザイン変更や装備の見直しはあるか?

エクステリアデザインについては、好みが分かれる部分もあるため、マイナーチェンジでフロントグリルやバンパーのデザインを変更し、より多くの人に受け入れられやすい、あるいは先代のような「タフさ」を感じさせるデザインに寄せてくる可能性も考えられます。

また、ユーザーからの要望が多ければ、限定車という形で「3列シート仕様」が復活する、なんていうサプライズもあるかもしれません。アウトドア志向を強めた特別仕様車「エクストリーマーX」のような、コンセプトを明確にしたモデルの展開も期待されます。

5-3. 日産の電動化戦略におけるエクストレイルの役割

日産は、e-POWERとEVを柱とする電動化戦略を強力に推進しています。その中で、エクストレイルはe-POWER技術のフラッグシップモデルとしての重要な役割を担っています。

そのため、今後もe-POWERやe-4ORCEの魅力を積極的にアピールしていくことは間違いないでしょう。CMやウェブサイトでのプロモーションを強化し、「e-POWERならではの走りの価値」を、もっと分かりやすくユーザーに伝えていく努力が求められます。エクストレイルの販売が上向けば、日産ブランド全体のイメージアップにも繋がるはずです。

エクストレイルは、まだまだ多くの可能性を秘めたクルマです。今後の日産の巻き返しに、大いに期待しましょう。

6. まとめ

今回は、高い評価を得ながらも「不人気」「売れてない」と言われてしまうエクストレイルの現状について、その理由と隠された真の魅力を徹底的に分析してきました。

【エクストレイルが伸び悩む理由のポイント】

  • 価格設定:ライバルと比べてスタート価格が高く、心理的なハードルになっている。

  • コンセプト変更:先代の「タフギア」路線から「上質」路線への転換が、従来のファン層を戸惑わせた。3列シートの廃止も痛手。

  • 技術の複雑さ:e-POWERやVCターボの優れた価値が、一般ユーザーに伝わりきっていない。

  • 強力なライバル:RAV4やハリアーといった絶対的な王者の存在が大きい。

しかし、その一方でエクストレイルには、これらの課題を乗り越えるだけの圧倒的な実力があります。

【エクストレイルの真の魅力】

  • 唯一無二の走り:e-POWERによるEVのような静かで滑らかな加速。

  • 絶大な安心感:e-4ORCEが生み出す、どんな路面でも安定した走りとしなやかな乗り心地。

  • 上質な空間:クラスを超えた内外装の質感と、充実した先進装備。

エクストレイルは「万人受けする優等生」ではありませんが、「走りの質」という点においては間違いなくクラストップレベルの実力を持つ、玄人好みのクルマだと言えます。

販売台数や世間のイメージだけで判断してしまうのは、非常にもったいない一台です。もし日々の運転にちょっとした感動や、心穏やかになれる上質な時間を求めているのであれば、エクストレイルは最高のパートナーになってくれるはずですよ!